音屋視点で観る!新マグロナシステム機材の選び方。

どうも。
私は普段いわゆる音屋というジャンルに分類されるレコーディングなどを行っている人です。
割と今更ではありますが。

さて、今回は8月1日に『まぐろなちゃんねる』にて行われた
『[トーク]ボイチェン技術解説2020年版! “マグロナシステム”はもう古い?』
という配信を音屋的視点で見ていこうと思います。
ちなみに今回触れていくのはハードウェアからDAWまでの範囲です。
その先のボイスチェンジャー技術の所には触れないのでご了承くださいませ。

あと普通に専門用語とかも持ち出すので素人向けではないです。
一応分かりやすく書くつもりですが、
正直全くのド素人だとまぐろな先生の説明だけ聞いていた方が変な混乱はないかと思います。
どちらかというとより詳しく知りたい人を対象に書いております。
ここを見て機材を買い揃えても普段の通話の音質がクリアになるだけのパターンもあります。
ちなみに私は通話の音質だけなら自信あります。
まあ、Mac版Discordのバグで今は自環境使えないですが。
ですのでまぐろな先生の言う通り音響機材の沼に両足突っ込む覚悟のある方だけ!
この記事を読むことをオススメします。

それと、この記事はまぐろな先生に確認を取ったわけでも許可を取っている訳でもありません。
完全に非公式ですし私個人の見解の塊です。
どこかしらから怒られたら消すかもしれません。ご了承ください。
それでは行きますよ。

最初に自環境の話

私はボイスチェンジャーによる何かは全くやっておりませんが、
自己紹介で書いた通りレコーディングをメインとしてやっておりますので、
機材のラインナップと知識は人より豊富な自信があります。
生放送やDiscordでの通話もその環境をそのまま流用しているので、
通話が無駄に超高音質という結果になりました。

  • Mic: AKG C414 XLII (まぐろな先生が途中で言ってたやつ!)
  • Mic Pre: Focusrite ISA One
  • Mixer: YAMAHA TF-5
  • AD/DA: RME ADI-2 PRO FS

こんな感じです。
見慣れない方からしたら”Mic Pre”ってなんや!?
AD/DA!?オーディオインターフェースじゃないんか!?
ってなっているかもしれません。
なのでまずはそこから説明していこうと思います。

Mic Preってな~に?

Mic PreとはMic Pre Amp (マイクプリアンプ)の略です。
そもそもマイクプリアンプの役割ですが、
マイクはその構造上とても小さなレベルの信号しか出力することができません。
それを十分なレベルにまで持ち上げるための機材がマイクプリアンプです。

ちなみにこれ、マイクを使っている場合は100%どこかに存在しています。
え?普段マイクをオーディオインターフェースに直接ぶっ刺してるけど?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
オーディオインターフェースには基本的にマイクプリアンプが内蔵されています。
またAG03などのミキサーに使用している場合も同じような働きをする
HA (ヘッドアンプ)というものが搭載されています。

AD/DAとは?

AD/DAというのは、
ADコンバータ (エーディーコンバータ[アナログデジタルコンバータ]) と
DAコンバータ (ディーエーコンバータ[デジタルアナログコンバータ])
この二つを組み合わせたものを AD/DAコンバータ と呼びます。
さて、この二つはその名前の通り
AD (アナログ -> デジタル)に変換するものと
DA (デジタル -> アナログ)に変換するものの事です。

これもデジタル音声信号を取り扱う環境では100%どこかに存在しています。
例えばオーディオインターフェースの中にも入っていますし、
パソコンのヘッドホン端子の前にも同様に入っています。
パソコンのヘッドホン端子の場合はADのないDAC (ダック)が入っている場合が多いです。

なぜそれぞれ別々に?

紹介したこの2つの機器、本当であれば全部オーディオインターフェースに入っています。
つまり1つの機材だけで完結するはずなんです。
しかし私の環境ではそれがそれぞれ別に用意されています。

理由はとても簡単で様々な面で自由度を持たせるためです。
途中に挟んでいるミキサーもそうですが、
個別に用意して接続している場合用途に応じて交換することが可能です。
例えばマイクプリアンプでも製品によって音声に違いがあり、
固く冷たい音がするものや柔らかく温かい音がするものまで様々です。
それらを収録したいものに合わせて変更することでより良い音で録音する事が可能になります。

あとは単機能にすることでほしい機能にピンポイントに投資することができます。
例えば20万円あれば多チャンネルのインターフェースが購入できますが、
私はチャンネル数よりとにかく音質を良くしたかったんですよね。
なので私は20万円で単機能のAD/DAを導入している訳です。

必要ない必要ない!高い機材なんて必要ない!!

ところがこれらの機材全部そろえると総額余裕で100万円近くになってしまいます。
実際にここに出ている機材だけで90万円相当になります。
ただ正直なところ音響機材というのは一定のラインを越えてしまうと、
その価格の変化に対し音質の変化が小さくなっていってしまいますので、
より多くのお金をかけたからといって特段音がよくなるという訳ではありません。
後、まぐろな先生が序盤で言っていたように高い機材というのは
一部を除き基本的により生音に近いものになっていくだけですので、
極端な例だとゴミボが高い機材を使うとイケボになる訳ではありません。
本業で使うなら私の環境並みの機材を揃えても良いのですが、
そうでないならはっきり言って無駄なんですよね。
くれぐれもお間違えの無いようお願いいたします。
なので今回の解説では私がお勧めできる機材のラインも併せてご紹介しようと思います。

遅延をなくす話

そもそも遅延を無くしたければPCのスペックを確認しましょう。
遅延というのは基本的に処理にかかる時間です。
遅延を少なくするためにはより多くのリソースが必要です。
なので通常の状態でスペックギリギリな人はそこから見直しをオススメします。

これをクリアしたらオーディオインターフェースの選択に移ります。
さて、まぐろな先生のお話ではここで重要なキーワードが出てきました。

ASIOドライバー

ASIOドライバーはWindows固有のものですが、
音量ミキサーなどの内部の処理を全部スルーして
DAWとインターフェースがダイレクトに通信するようにするためのものです。

しかし格安のインターフェースはASIOドライバーに対応していないものが多いです。
ただもし、ASIOドライバーに対応していないインターフェースを既に所有していて、
どうしても今はこれを流用したい場合があるかもしれません。
そういった場合にはASIOドライバに対応してないデバイスを
無理やりASIO対応にしてしまう方法があります。

そもそもASIOに対応だの非対応だのと言っていますが、
インターフェース自体にそういった機能が載っている訳ではなく、
あくまでドライバーが存在するかというだけの話なので、
どのデバイスでも使用可能なASIOドライバ-を用意してしまえばOKです。

そのためのソフトウェアがASIO4ALLになります。
このソフトウェアはどのデバイスにも対応するASIOドライバ-で、
これを使うことによりそのインターフェースをASIO対応にすることができます。
これ自体は通常のASIOドライバとそれほど変わりませんので、
遅延の量などに大きな差が出ることはありません。
使い方はSoundHouseで紹介されているのでそちらをご覧ください。

さて、それでは実際に購入するインターフェースを検討していきましょう。
オーディオインターフェースの推奨価格は3万円~です。
この価格帯であれば大概ASIOドライバーの対応の心配はありません。

ここで1つ注意したいポイントがあります。それは”コンボジャック”です。
まぐろな先生の配信でも出てきました。

これはこの後に説明する接続方式の話になるのですが、
TS/TRSフォンプラグとXLRプラグの両方が使えるジャックになります。
コンボジャックは真ん中に穴が開いていてその左右下にも小さな穴が開いている形のものです。
この真ん中の穴が開いていないものはXLRしか使えないXLRジャックになります。

ただこのコンボジャックですが、
多くの場合TRS接続はマイク入力に対応していない場合が殆どです。
大概の場合XLR入力はマイク向けのレベル設定、
TRS入力は外部LINE入力向けのレベル設定になっています。
まれに両方使えるものもありますが少ないと考えたほうが良いでしょう。
ですのでマイク接続だけで言えばXLRを選択することになりますね。

さて。それでは純粋な性能と私の好みを加味した結果導き出される機材は…

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/272139/

SOLID STATE LOGICのSSL2です。
今だとやはりこれだと思いますね。
SSLは世界的にスタジオで導入されているようなコンソールを作っている老舗メーカです。
そんな技術がこの小さい筐体に詰め込まれており、
特にマイクプリ周りが非常に優秀だと言われています。
上位モデルのSSL2+というものもありますが、
通常使用であれば無印版でいいと私は思います。

ついでに。
もし本気で高いオーディオインターフェースを買うのであれば
まぐろな先生もオススメしていたRMEのBabyface Pro FSが良いでしょう。
使い勝手が非常に良く金属筐体で上部なのもありますが、
マイクプリアンプがとてもナチュラルであることと
原音の再現性が非常に高いことが挙げられます。
Babyface Pro FSに限らずRMEのインターフェースを個人的にオススメします。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/269938/

接続方式の話

PCで使用できるマイクにはいくつかの接続方式があります。
接続プラグの形状のお話ですね。。

配信内でも出てきたピンクで小さなプラグの3.5mmフォンプラグ、
ギターのシールドなんかでよく見る標準フォンプラグ 、
ピンが3本出ているよくあるマイク用のXLRプラグ
一般的なのはこの3つです。
正確には標準フォンプラグには2種類あるのでこの後違いについて説明します。
その他にマイクの内部でデジタルに変更して出力するUSB接続のものもあります。

一番最初に気を付けなければならないのは3.5mmフォンプラグのマイクです。
これはPC特有の接続方式言っても過言ではありません。
そのためオーディオインターフェース等では使用する事ができません。
原則繋がらないと考えてもらって大丈夫です。
というのも、このタイプの接続方式ではプラグから電源を供給しており、
オーディオインターフェースで扱う規格には存在しません。
そのため形状を変換しても使用する事ができないので注意が必要です。

あと、配信のコメント欄でちらっと見かけたお話で物凄く罠なマイクがありまして、
SONYの有名なお安いマイク、ECM-PCV80Uには注意が必要です。
そのマイク、本体からケーブルを外すことができて外すとXLRが出てくるのですが、
残念ながらこのマイクは3.5mmフォンプラグと同じ接続方式をしているため
XLRケーブルを使用して接続しても使用する事ができません。

最後に標準フォンプラグの話ですが、
前述の通り標準フォンプラグには2つの種類があります。
それがこちら。

見た目でいうと黒い線が1つあるか2つあるかですね。
色の違いは関係ないです。同じ色のものが手元にありませんでした。
さて、このそれぞれに名前がついており、
上がTSフォンプラグ、下がTRSフォンプラグと呼ばれています。
TRSフォンはヘッドホンなんかでよく見かけるかと思います。
逆にTSフォンはギターのシールドで主流ですよね。

さて、このTSとTRSの違いですが、これが違いを発揮するのはモノラル信号の場合です。
難しい話をすると長くなってしまうので簡単に書きますが、
モノラル信号を対応機器からTRSフォンを用いて伝送するとバランス接続になります。
バランス接続はアンバランス接続より外部からのノイズに強い特徴があります。
ちなみにXLRもピンが3本あるようにバランス接続となっています。
このモノラル信号のTRSによる伝送は送出側と受信側の両方が対応している必要があります。

マイクを選択する話

最初に言っておきます。
まぐろな先生も言うように最初はコンデンサーマイクは止めておきましょう。
湿気に弱い、静電気にも弱い、衝撃にも弱い、感度がバカ高い。
はっきり言って素人が簡単に取り扱える代物ではありません。
私もコンデンサーマイクに関しては使用しない時は防湿庫に収納しています。
ケアをしないままコンデンサーマイクを使い続けると物凄く音痩せします。
あとリボンマイクも止めてくださいね。コンデンサーマイクより面倒ですので。

さて、ではダイナミックマイクを選択していくことになります。
ダイナミックマイクの推奨価格は1万円~です。

取り敢えずダイナミックマイクに関してはこれを買っておけというのが有りまして、
ShureのSM58というもうどこにでもあるダイナミックマイクです。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/69782/

これより少しコンデンサーマイク寄りのサウンドにしたいのであれば
同じくShureのBETA58を選択すれば良いでしょう。
こちらのほうが高音域をきれいに収録できるため、
きれいに変換したいならこちらのほうが良いかもしれません。

あと、個人的に結構良いと感じているのはSENNHEISERのE935です。
単一指向性のダイナミックマイクですが、
こちらも割とコンデンサーマイクに近い音で録ることができます。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/68380/

ちなみに配信で少し指向性の話が出てきたのですが、
ダイナミックマイクの場合はそれほど意識する必要はないかと思います。
配信でちらっと出てきた無指向性はダイナミックマイクではかなりマイナーです。
それよりも個人的には超単一指向性に注意すべきかなと思います。
超単一指向性のダイナミックマイクは本当に中心からぶれると直ぐに音圧が変わるので、
通常の環境では取り扱いが非常に面倒です。
ですので一般的な単一指向性のマイクを選択することをおススメします。

ちなみに2,000円ほどで買える同じくShureのPGA48というマイクがあるのですが…
個人的には1mmもオススメしません。
というかさすがにこの価格帯は収音音域が狭すぎて使い物にならないです。
どうせ買うなら最低限使えるものにすることを個人的にはオススメします…。

俺はどうしてもコンデンサーマイクが買いたい!!という方は
まぐろな先生がおすすめしていたAKG C414 XLIIを選ぶと良いでしょう。
ちなみに同じような型番でC414 XLSというモデルがありますが、
こちらのほうが音の質がナチュラルです。
XLIIのほうはどちらかというと高音が煌びやかですね。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/156034/

DAWに入力する

ここまで来たらあとはばびごえだとかDAWに音声を入力するだけです。
と、ここでワンポイント。
実は大概のASIOドライバーは初期設定でバッファが512msに設定されています。
ただこのままだと比較的遅延があります。
なのでドライバーの設定などでプツプツしない限界まで
バッファサイズを小さくする設定を行うと良いかと思います。

RME Firefaceのバッファ設定

ここまでプツプツなく下げることができれば上出来ですね。
ただバッファサイズを小さくすればするほど処理が重くなりますし、
処理負荷のスパイクができたときにプツっとなる可能性が高くなるので
その辺には十分注意して設定を行う必要があります。

ところでこれはお耳のお話になるのですが、
人間の耳はだいたい300msくらいまでは認識できないそうです。
なのでぜーんぶこみこみで300ms未満に抑えられれば取り敢えず大丈夫かと思います。
入出力でいってこいするまで2回計算しなきゃいけない事をお忘れなく。


ここまで書いてきて

さて。ここまで配信の内容を参考に音屋的意見も交えて
機材を選択するポイントとおススメについて紹介してきましたが、
こうやって書いていくといかにまぐろな先生がよく研究してらっしゃるのかが分かりますね。
これがイラストレーターだって言うんですから恐ろしいものです。
最近だとイラストからお歌からMixから動画から全部やる人いますし、
もう1つしかやらない人の出る幕がないですよね…トホホ…。
私も繁盛しないのでMix師引退疑惑ありますアリマス。

私もボイチェンやりたいですが、
そもそも地声が低すぎてボイチェンかけても女の子声にそもそも届かないので
私はだいぶ前に断念しました。
あと高い声を出すと直ぐにのどが死んでしまうので向いてないですね。

TotalMixくん有能だよね…。わかるよ。まぐろな先生…。
旧マクロナシステム力業で笑っちまったぜほんと…w
音響の世界は10万円がスタートラインですよ…。

以上、配信アーカイブを見つつ音屋がつらつら書いたものでした。
何度も言いますが、真面目に機材を選ぶなら何がいいのか
という事を念頭に書いておりますので、
とりあえず何も考えず始めたい人はとりあえず安いものから始めましょう。
ここに記載されている機材は本格的に入るときのスタートアップ機材
だと思ってもらえれば幸いです。

それでは。またお会いしましょう。はぁ…つかれた。

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